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図書紹介 山本弘著 「環境問題のウソのウソ」楽工社

武田邦彦という人物をご存じだろうか。
現在、中部大学総合工学研究所教授であり、「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」「同名2」の著者である。
定説に独自の説を主張している、としてちょっとした有名人であり、実際、2冊は売れている。
活動している人のなかにも変な影響を与えられた方もおられ、各地で問題になっている。
武田氏の2冊はさまざまな問題があり、心ある多くの文化人から批判されている。
その批判をまとめたような一冊が表題の本である。
これから、幾回かに分けて、その内容を紹介していきたい。

今回は、ペットボトルに関する内容を対比しながら紹介したい。

「環ウソ」で書かれていること実際はこうだ!
01.平成16年(2004年)の消費量51万t、分別回収24万t、差し引き27万tがごみ、再利用量は3万t(分別回収したほとんどをごみとして捨てている) 01.分別回収量は約32万t、再生利用率は約28.96%(petボトルリ協)繊維、シート、ボトル、成型品等、2007年6月28日 petボトルリ協は「環ウソ」に記されている「再利用量」は捏造であると、サイトで発表
02.1本のペットボトルを作るのにはその倍の石油を使う。…12万tのペットボトルを作るのに24万tの石油が必要となる。 リサイクルしなければ全部捨てることになるが、運搬や施設などに2万tの石油を使うので、全部で26万tの石油を使う。 1本のペットボトルをリサイクルするためには、3.5倍の石油を使う。 (平成16年でみると)作るのに102万t、分別回収に84万t、運搬や施設などに2万t…総計188万tの石油を使う 02.計算が滅茶苦茶だ!なぜ2倍なのか、根拠が不明?運搬や施設での2万tだが、作る時にもリサイクルするときにも同じ2万tでいいのか、不明。 なぜ3.5倍なのか、根拠が不明? 仮にそうだとすると、「環ウソ」で再利用量は3万tだから、3×3.5=10.5万tとなり、84万tにはならない。
03.コストとエネルギーを混同している
「価格というのは、物質の使用量とエネルギーの使用量によって決まるので、価格の方がより環境の指標になる」
03.リサイクルコストの多く(4~8割)が人件費であり、コストの大きさが環境の指標になんてならない
04.LCAを無視
「LCAはアメリカの会社が自社製品が環境に良いことを証明するために作った指標で示す標準基準である。」
「ペットボトルリサイクルは、環境負荷を増加させる」
04.1969年、コカコーラ社がミッドウェスト研究所に委託し、容器の資源消費を調査する。
これをきっかけに、米国環境庁やスイス環境保護局が民間研究所に依頼した調査を元に、最終的にISOが規格を定めたものであり、国際的な指標である。
環境負荷の主張がLCAを無視したいい加減なものである。
05.回収費用1本当り26円かかる
「リサイクルをしてはいけない」で26円という数字を出している
05.自治体の費用は約600億円
平成16年 約600億円をかけるペットボトル生産量 51万3712t
自治体回収量 23万8469t
1t当り25万円の費用…250円/kg
1ボトル重量:46.1g
1本当りでは
250円×0.0461=11.525≒11.5円/1本
自治体は、1t当り25万円で回収したペットボトルを業者に3万8900円で売っている。
まったく採算は取れていない。
環境対策というのは短期的にみれば採算難か取れない。
コストだけを考えれば、リサイクルは無駄だ。
しかし、しなければ、ごみがあふれかえって、浪費のつけを払わされることになる。

是非、一読を
(文責 山下)